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ペテン師とは何か?

ペテン師とは、人をだます人のことをさす。
似た言葉に詐欺師があるが、この二つは厳密には違う言葉になる。

詐欺師は読んで字のごとく、詐欺をする人のことをさすが、ペテン師は詐欺に関わらず人をだます行為を行うものすべてに当てはまる。

ペテン師のペテンの語源は、中国語がなまったものから来ている。

中国語で「詐欺」の意味がある「ペンツ(繃子)」が日本に伝わった際、ペテンとなり、今のペテン師につながっているそうだ。

中国語では詐欺を意味していたものが、日本にきて嘘つきやだますといった広い意味になったが、日本語でも詐欺の中でも知能犯や頭脳犯などに限定して使われることが多い。



ペテンの嘘の種類

人は意識していてもいなくても嘘をつくことがある。
だがそれらすべてに対してペテン師と呼ばれるわけではない。

嘘には7つの種類があるといわれている。


その中には、人のためを思ってつく嘘や、本人も嘘と気づいていない嘘がある。

嘘をつきやすい人の中にはさまざまな思いから嘘をついている。

例えば自分のことをよく見せたいために見栄を張ってつく嘘、他人の注目を集めるためにありもしない嘘をつくなどがあげられる。
これらは自分のためにつく嘘だが、ペテン師のつく嘘も同じだ。

ペテン師と呼ばれる人々の嘘は、やはり相手をだまそうと思ってつく、「悪意のある嘘」だ。

ただし嘘をついていると自覚しながらそれを悪いことと思っていないという特徴がある。



ペテン師の特徴

人をだますことにたけているペテン師はコミュニケーション能力が高いことが多い。
笑顔で良い人であることが多く、また話も面白い。

人をだますことに対して罪悪感を感じていないため嘘をついているようには思えないのが特徴だ。

第一印象が良い人を疑うのは難しいかもしれないが、ちょっとでも話のつじつまが合わなかったり、うまい話ばかりしてくるような相手は警戒する必要があるかもしれない。

またあまりにもひどい嘘つきの場合は、本人の性格だけではなく精神的な病気が関係している場合がある。


嘘をつきやすい病気として、反社会性パーソナリティ障害、認知症、アルコール依存症などがあるので、身近な人がそうなった場合は、非難するだけでなく気にかけてあげるとよいだろう。


では、ペテン師とは憎むべき者で、忌み嫌い排斥すべき存在であるかというと、必ずしもその一辺倒だけで切り捨てるのは勿体無いのも事実である。

人を騙し、その気にさせるというのは悪しき行いである一方で、それを可能にするのはあくまで知略や弁舌であり、言うなればひとつの才能である。

人を騙そうと思えば、まずは人に信用されなければ話にならないわけで、邪心を腹に隠しつつも人から信頼をも得るというその手腕は、目的の善悪はさておき、敬服に値するものであると言っても過言ではないだろう。

世の多くの人々が、そもそも人から信頼を得る段階で苦心惨憺していることを思えば、容易にその段階を突破し、さらに人を騙すという次の段階にまで手を伸ばすペテン師たちは、やはり優れた才能を持った集団だ。



インポスター症候群とは

ペテン師、詐欺師を意味する英語にインポスターがある。
インポスター症候群とは日本語に翻訳すると詐欺師症候群となるが、その内容はペテン師とは全く別物である。

仕事などで成功し、評価を得られた場合でも、「運が良かった」「周りのおかげ」などと思い、他人からの評価を正当な物と思わない性格傾向のことをさす。

このタイプは自分を過小評価し、周りの空気を読む傾向にあるのが特徴で、周りの期待や評価は重荷になることもある。

なぜペテン師の単語が使われているのかというと、自分に対する評価や実力が信用できず、いつか詐欺師と気づかれるのではないかと思う傾向にあるため、こう呼ばれている。

詐欺師やペテン師とは関係ないが、周囲に実力があるのに自身のない人がいたら、無理に否定せず肯定するとよいだろう。



人類みなペテン師

そのような偏屈な考えを掘り進めていくと、ついに人類はみなペテン師であるという結論に辿り着く。

自分自身を振り返ってみてほしい。
自分が困難を回避し、人になすりつけるために適当な嘘をついたことはなかったか。
あるいは逆の憂き目にあった体験はなかったか。目の前の人との関係性を維持するために、無実の第三者の口を借りて悪口を唱えたことはなかったか。


自分が犯した仕事のミスに知らぬ存ぜぬを通したことはなかったか。
人は、嘘なしには生きられないのである。

嘘が矢のように飛び交い、無数の剣戟のように襲い来る人間社会においては、皆がペテン師の心得を学び、嘘の刀を腰に帯びなければ生きてはいけない。

些か暴論ではあるが、そのように考えると、ペテン師なる存在が幾らか身近に思えてくるものではないだろうか。



    

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