実は怖い、トンネルという心霊スポット
トンネルというのは、 実は恐ろしい場所である。
そのように言われる理由は、
幽霊はトンネルに集まりやすい性質であるからである。
しかも、守護霊や自然霊のような、人間にとってプラスになる例ではなく、怨霊や生き霊、自縛霊でさえもトンネルに惹きつけられてしまう。
なぜか、トンネルは霊界や魔界とつながっているような雰囲気を醸し出しているが、それにもきちんとした理由があって、 人工的に空間を歪めているからである。
もちろんトンネルというのは、山林が多い日本にとっては重要な交通インフラであり、人々を幸せにするための構造物であることは忘れてはいけない。
しかし二次的な作用として、たちの悪い例がたまりやすく、それによって、
霊感がある人は様々な霊障を引き起こしやすい。
今回は特に危険な心霊スポットとなる犬鳴峠トンネルを通行した人間の心霊エピソードを語る。
いつものデートの帰り道、ショートカットしようと心霊スポットのトンネルへ突き進む・・・
それは、付き合っていた彼とドライブに出かけた時のこと。
わたしは親との約束で門限があった。
彼はいつもそれを気にしてくれて破ったこともないし、余裕を持って家に送ってくれていた。
しかし、その日は、珍しくカフェで話し込んでしまい、時計に目をやった時にはとうに出発予定時間を過ぎていた。
私は門限に間に合わないと伝えるからいいと言ったが「いつも通らないけど近道があるから間に合うよ」と。
どこのことを言っているのか分からなかったが、時間も迫っているしとりあえず車に乗り込んで家を目指した。
彼は普段は大回りして明るい開けた通りを選ぶところで、山の中を突っ切るルートを進んだ。
トンネルの霊障で彼が急に無口になる
いつもの彼は運転中は私が退屈しないようにと音楽をかけ、沢山話してくれるのに、
山道に差し掛かったあたりから急に無口になった。
ただ、その時は普段と違う道だから集中しているのかな?
とあまり深刻には捉えていなかった。
だんだんとすれ違う車も減るし、街灯もない。
運転が得意でいつもリラックスしている彼がしっかりとハンドルを握って口を閉ざしている。
そんないつもと違う雰囲気に気圧されて思わず「どうしたの」と聞いたが、彼は誤魔化すように笑って音楽のボリュームを上げた。
最後のトンネル
彼のいう近道はたしかに早かった。
このまま走れば門限にも間に合う。
最後のトンネルを目前に私は安堵していた。
間に合うね、そう言おうとして彼を見ると表情が強張っていた。
なんとなく汗もかいてる。
車の中は快適な温度を保っているはずなのに。
車はどんどんトンネルを走る。
彼はいつもよりだいぶスピードを出していた。
トンネルを駆け抜けて、広い道に出た時。
大きく息をついた彼が私に聞いてきた。
「怖くなかった?」と。
彼の態度がいつもと違って怖かった、と伝えるとくたびれたように笑ってごめんと言い、そのままいつもの彼に戻って音楽のボリュームを戻し、私を家の前で下ろした。
トンネルには・・・・
しばらく経ってから、やはりどうにも気になってあの日のことを尋ねると渋々詳細を教えてくれた。
あの日、あの時。
トンネルに差し掛かったあたりから車のボディを「何か」に叩かれていた。
万が一にも私が気がつくと怖がるし、車を叩いている「何か」が私に気づいても困るから音楽のボリュームを上げ、私に話しかけなかった。
そして、
トンネルの出口付近で彼の視界にはちらと何かが映ったらしい。
見てはいけない、そう思って視線をはがしたがそれはたしかに
白っぽい格好の女性だったと。
車を叩いていた「何か」が、彼女なのかはわからない。
でも、走っている車を叩くことも、あの時間あの場所に立っていることも、そもそも尋常ではないのだ。
彼はその付近が心霊スポットであることは知っていたが嘘っぱちだと思っていたし、門限を破ってデート禁止になっては困ると思ってあの時は通ったけど、もう二度と通らないと誓ったそう。
そして、私一人で行ってもなにも起こらないと思うけど、と前置きして私や私の友達とふざけてでもあの場所に行かないように車のボディを叩かれた証拠を見せてくれた。
私を送った後、一番良いコースで洗車しちゃったしあの時は暗かったから見てないと思うけど、そう前置きして差し出されたケータイには、車のボディにくっきりついた無数の手の跡が写っていた。
あの日、あの場所では何も感じなかった私もその写真を見た時は背中の産毛が逆立つような気持ち悪さを覚えた。
という、小説を素敵なライターさんが納品してくれました!!
目指せ!芥川賞!!!
俺の妹は小説家を目指し大阪の某私立大学に行ったけど、本を一冊も出さずに4年後に就職しました。
その後、会社を辞めて高級マンションで働かずに一人暮らしをしております。