神の眷族に見守られる古の墓所〜茨城県古河公方公園の歴史〜

地元の公園内に古河公方の墓所がある。
そこ、古河公方公園は桃林があり、バスツアーも組まれるイベント「桃まつり」が有名な公園である。


先日、この墓所を訪れた時、大変神秘的な光景を見た。
さて、そもそも公園名にもなっている古河公方とは何者だろうか。


古河公方とは?

古河公方(こがくぼう)は、室町時代後期から戦国時代にかけて、下総国古河(茨城県古河市)を本拠とした関東足利氏。
享徳4年(1455年)、第5代鎌倉公方・足利成氏が鎌倉から古河に本拠を移し、初代古河公方となった。(享徳の乱) その後も政氏・高基・晴氏・義氏へと約130年間引き継がれる。
御所は主に古河城。
古河公方を鎌倉公方の嫡流とみなし、両方をあわせて関東公方と呼ぶこともある。(Wikipedia)


要するに、昔、古河にはお城があってお殿様がいたのだ。
古河公方5代目の足利義氏さんのお墓が古河公方公園の中にあるんですよ、ということだ。


なかなか歴史深い古河公方公園ではあるが、住民はあまり気にしていない。(と思う)
筆者である私もその一人である。


私がその墓所の存在を知ったのは、たまたま公園内にハスの花を見物しに行った時に母親に言われたからである。
ちなみに公園内の大賀ハスも有名である。


蛇足ではあるが、昔この公園は古河総合公園という名前だったので、現在の公園名に使われている古河公方自体よく知らなかった、という市民も多いと思う。



〜桃林の中に突如現れる杉の木に囲まれた藪〜

「ここにお墓があるの知ってた?」
公園内でハスの花を見たあと、強い夏の日差しを避けて桃林の木陰を歩いていると急に母親が言った。
「そうなの?」
私は知らなかったが、キャンプもできるこの巨大公園はあちこちに石碑や保存された古民家などがあり、墓くらいあっても不思議では無いとも思った。


母親に案内されて桃林を逸れると、杉の木に囲まれた藪が目に入った。
周りは整備された公園の木々や通路なのだが、いきなりそこだけ鬱蒼とした藪と背の高い杉の木が数本生えていて、違和感を感じる。


藪に足を踏み入れると杉の木に夏の日差しを遮られ、急にひんやりとした空気になる。
(あれ、ここ入っていいのかな)

当然ここは公園内なので禁忌の場所などない。


場所も桃林の通路を少し横に入っただけ。
しかし、円形に杉の木がくるりと墓石を取り囲み、そこに向かって一本細い道が通る鍵穴のようなデザインの場所を見て不安になる。
薄暗い細い道の先のその墓所が、完全に外界と違う空間のように感じられるのだ。
一本道と円形の空間の入り口には看板が立てられ、この墓所のいわれが書かれているのが見える。
看板があるということは見て下さいということだ。


とりあえずそこまで行ってみようと母親と歩いて行く。
看板奥に見える墓石が目に入ると、「あ」と二人で声をあげてしまった。


烏だ。


二羽の烏が、墓石の両側に居た。
まるで神社の狛犬のように、綺麗に対になってとまっている。
烏はこちらを見ると、翼を広げた。
まるで来るなと威嚇されているようである。


杉の木からの木漏れ日を受けて逆光になった烏はかなり大きく見えた。
それはとても神秘的な光景であったが、同時に恐ろしさを私たちに感じさせた。


「も、もういいから行こうか」
「そうね」



私も母も、烏の存在に驚いてそそくさと墓所を後にした。
日差しの強い桃林に続く道に出てほっとした。



しかしあんなところに烏が二羽も居るものだろうか。
まあ、公園内のキャンプ場などのおこぼれ狙いの烏がいてもおかしくはないだろう。
しかしあの墓所はキャンプ場からは離れている。



帰りの車で母親に
「いや、烏にびっくりして入れなかったね」
と言ったら、
「三本足じゃなかった?」
とからかうような声で言われた。


いやあ、まさか。
よく見てなかったし。
足が三本あったら、Jリーグのマークでお馴染みの八咫烏(ヤタガラス)という神のお使いの烏ではないか。


こんな田舎のうらぶれた墓所にそんな大層なものは参上しないだろう。
二羽居るならつがいで、あの墓所にでも巣を作っていたのかもしれない。
それなら威嚇されたのも納得できる。



でももし神の使いである烏だったとしたら?
最近、幽霊の寿命は400年である、という話をネットで見たのだが、本当かもしれない。


1583年、42歳の若さで最後の古河公方当主、足利義氏は亡くなっている。
それから437年経ったわけだ。
若くして亡くなり思い残すことがあったが、現世の思いを断ち切り、神のお使いである八咫烏がやってきたのではないだろうか。


私はひょっとすると、幽霊が神になる瞬間に立ち会えたのかもしれない。
そんなことを考えてしまう夏の午後だった。





    

ページのトップへ戻る
オカルトマニアクス パワースポットカテゴリ
オカルトマニアクス TOPページ