丑の刻参りにおける呪いの真相

丑の刻参りとは

日本で一番有名な呪いと言えば丑の刻参りだろう。
午前1時~3時の時刻に神社を参り、御神木に呪う相手に見立てた藁人形を五寸釘で打ち込む。
この行為を誰にも見られずに七日間続けることで、相手を呪い殺すことができるとされている。


丑の刻参りの行為を誰かに見られると呪詛返しがあるとされており、呪った本人にもリスクがつきまとう呪術である。




呪いの効果考察1 ~ノーシーボ効果による思い込みか~

思い込みが身体に影響を与える現象は有名だが、特に負の影響を与える現象をノーシーボ効果という。
呪いの大半はノーシーボ効果で説明がつくと解説している書籍やサイトは少なくない。
しかし、ノーシーボ効果を発動させるためには、呪われた本人に情報が伝わる必要がある。


本人が呪われたと思い込まないと、ノーシーボ効果は発動しないのである。
ノーシーボ効果では、秘密裏に行われる丑の刻参りは説明できないのであろうか?



呪いの効果考察2 ~ムラ社会における噂の広がり~

ノーシーボ効果を発動させるためには、呪われた本人に情報が伝わる必要があることは前述したとおりだ。
このことにおいて、古代の社会の在り方にヒントを見出すことができる。


古代において社会とは、閉鎖されたムラ社会であった。
ムラの秩序に従わない者は締め出される。いわゆる村八分である。
そんな古代においても、丑の刻参りはタブーの儀式とされていた。
もし誰かが丑の刻参りの現場を目撃した場合、閉鎖された村においては高速で噂が拡散される。


丑の刻参りの現場を目撃された本人はもちろん、呪われた人間にもその噂は伝わることだろう。




丑の刻参りの呪いの真相

以上を踏まえ、丑の刻参りの呪いは、現場を目撃され噂が広がった場合にのみ効果を発揮すると考えられる。


呪った人間は、タブーの儀式を行ったことにより村八分で締め出され、処刑などによりに殺されてしまう(=丑の刻参りを目撃された場合の呪詛返し効果)


呪われた人間は、誰かが自分を呪っていると認識することでノーシーボ効果によって死んでしまう(=相手を呪い殺す効果)


目撃されなかった場合は、そもそも伝承に残らない。
呪った相手が実際に死ななくとも、呪った本人しか真実を知ることはないため、丑の刻参りとして伝承される場合には、「呪った相手が死ななかった真実」は問題にはならないのである。
また呪った本人は「自分が呪いました」と告白することで村八分に会うため、自ら呪った事実を公表することもできない。

行為を目撃されたことで噂が広まり、呪った人間と呪われた人間両方に「呪い」が降りかかる。
これが丑の刻参りの「呪い」の真相ではないだろうか。



    

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丑の刻参りで相手を呪い殺す方法と注意点
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