グローバリズムについて

 グローバリズムとは、汎地球主義であり、全地球的思考である。
全世界・全地球を視野に入れて、それを一つの共同体として捉え、人口問題や環境問題などを考えて行こうとする立場である。

グローバリズム誕生の歴史

19世紀から20世紀にかけて世界は近代国民国家という虚構を作ることに熱中した。
そこではその国の神話・歴史・共通語などの装置が作り上げられ、人々は「国」という単位で政治や利益を考えるようになった。
この時代はヨーロッパ中心主義の時代でもあり、欧米の文化に比べて他の諸国の文化はより劣るものとみなされた。
ただ、世界のいたるところに近代国民国家が出来てくると公害その他、一国だけでは解決できない問題が次々と出てくることになる。

ここにグローバリズムという思想が誕生したわけである。



グローバリズムの長所

 上記のような必要不可欠の状況の中で生まれてきた思想であるから、当然グローバリズムには長所がある。
航空機の発明・発展あるいは輸送船など艦船の発達・効率化によって地球は狭くなった。
人・物・金の移動が世界規模であるのが当然になって来た。
その上、最近ではIT技術の飛躍的進歩によって情報が瞬時にして地球を巡るようになった。

こうしたことは一国では決して解決できない地球温暖化問題や海洋汚染問題、地球の人口問題などを世界全体で話し合う機会を実現させ、問題意識の共有化、ある程度の解決に向けての行動化などに力を発揮している。

ある程度、近代国民国家の思想から抜け出し「みんな地球に生きる人」という運命共同体の意識を生み出した。



グローバリズムの問題点

 ただ、世界の国の状況はさまざまである。資本主義の国もあれば、社会主義の国もある。民主主義の国もあれば、そうでない国もある。そして経済大国は押しなべて軍事大国である。
経済大国・軍事大国になり、なおかつ世界が今までにない緊密さでつながっているということになれば、世界一の経済大国・軍事大国は世界に自分の都合の良いような影響を与える事ができやすい。
現在世界一の経済大国・軍事大国であるアメリカは民主主義の国であり、法治主義の国である。

それに対して現在世界第二の経済大国・軍事大国である中国は表向き共産主義の国であり、法治主義よりも人治主義の国であると言われている。
この落差はかなり大きく、ここの移行がスムーズにいくかどうかは世界の将来に多大な影響を与えるであろう。

 またグローバリズムの台頭に対して、ローカリズムなど反グローバリズムの動きがあることも忘れてはならない。



グローバリズムの行方

 これからグローバリズムはどうなるのであろうか。人・物・金・情報の動きを止めることは出来ない時代である。
地球温暖化や新型コロナの問題は世界全体で対処しなければ、人類の生存の危機に直面する問題である。
ある意味でグローバリズムが無くてはならない考え方なのは間違えない。

 その一方でグローバリズムが強調され過ぎた分、反動があることも予想される。

グローバリズムが加速した未来

 今までの世界史を見ると、いくら繁栄を誇った国でもいつかは没落した。
そしてその時出て来るのは、別の価値観を持った国であった。
もし仮にグローバリズムが進みすぎて、地球政府などというものが出来たら、地球政府の終焉が人類の終焉となってしまうだろう。

グローバリズムが過度に進行し、地球政府のような単一の権力が出現すると、その終焉が人類全体の終焉となる可能性については、十分に警戒するべきである

グローバリズムの良さを取り入れながらも、グローバリズムでないものも残していくのが正しい道であろう。

その行程が出来るだけ滑らかなものであることを望みたい。

グローバリズムの実現自体が本来の持続可能性を損なわせてしまうのではないのか?

グローバリズムの実現においても、潜在的なリスクや課題が存在する可能性があります。

グローバリズムは経済活動や物流の増加をもたらすことがあり、それが環境への負荷を増大させる可能性があります。

国際貿易や交流が増える一方で、資源の過剰利用や排出物の増加などが進むことで、気候変動や生態系の破壊といった環境問題が悪化する可能性があります。

そして、グローバリズムが進むと、一部の国や企業が恩恵を受ける一方で、他の地域や社会層が取り残される可能性があります。

経済的格差や社会的不平等が広がることで、社会的な安定や持続可能性が損なわれる可能性があります。

グローバリズムにより、異なる文化が交流し影響を受けることが増える一方、それが一元化や文化の消失を招く場合もあります。

地域の伝統や独自性が失われることで、文化的多様性が減少し、持続可能性への影響が生じる可能性があります。

グローバリズムによって国際的な供給網が構築される一方で、これに依存することで国内の経済や社会が外部の出来事に脆弱になる可能性があります。

例えば、国際的な危機や紛争が発生した場合、供給チェーンの途絶や資源の不足が国内に大きな影響を及ぼす可能性があります。

このような問題があるため、すべてにおいてグローバリズムが良いわけではありませんね。

人類の理想主義が傲慢になる可能性が問題です。

傲慢な一元化

グローバリズムが進むと、一部の国や価値観が支配的になる可能性があります。

これによって、特定の文化や経済モデルが他のものを圧倒し、多様性や異なるアイデンティティの尊重が損なわれる可能性があります。

この結果、一元的な視点が台頭し、他のアプローチを軽視する態度が生まれるかもしれません。

理想主義と現実の乖離

グローバリズムの理念に基づいて、国際協力や統合が進められる一方で、実際の政治的な対立や利害の衝突が現実世界で起こることもあります。

理想主義的なアプローチが、実際の現実との乖離を招き、対話や協力の困難さをもたらす可能性があります。

対話の不足

グローバリズムが進むと、異なる文化や国々が交流する機会は増えるかもしれませんが、それにもかかわらず、深い対話や理解が欠けることがあります。

異なる価値観や立場を理解することなく、優越感や偏見が生まれる可能性があります。





人類は過度に理想を追求するべきではない

理想主義は、大きな夢や目標を追求することによって進歩をもたらす一方で、実際の現実との調和を欠いたり、現実的な制約を無視することで問題を引き起こすこともあります。

過度な理想主義は、大きな夢や目標を追求することを重視する一方で、その実現可能性や具体的な手段を無視することがあります。

これが結果として、実際の計画が不確かなまま進行し、望まない結果をもたらすことがあります。

そして、現実が理想と乖離している場合に失望や挫折感を引き起こすことがあります。特に、大きな期待を抱いていた場合に、現実がそれに達しないとがっかりする可能性があります。

また、過度な理想主義によって、異なる意見やアプローチに対して寛容さを欠き、対立や敵対心を引き起こすことがあります。

現実と異なる理想を押し付けることが、対話や協力の妨げになることがあります。

そして、目標を追求するために短期的な手段を選択し、長期的な持続可能性を無視することがあります。 このために、結果的に問題や課題を引き起こすことがあります。

理想と現実のバランスを保ち、適切な方法で目標を達成することが重要です

やはり、物事というのはバランスを保ちつつ、現実的な視点を持ちながら理想を追求することが重要です。 理想主義は進歩や変革をもたらす力を持っていますが、その際には現実的な制約や課題も考慮しながら、適切な方法で目標を達成することが求められます。





    

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