人間の命は月の満ち欠けと関係性がある

産婆だった祖母が残した言葉

私の祖母は産婆として蒲田の診療所に住み込みで勤務していた。
彼女は80歳近くまで産婆を続けこれまでに取り上げた命は2000以上。
住み込みで働いているため末期患者の最後に立ち会うことも多かった。
彼女の部屋の隣には必ず死期の近い患者が入り、母親が病気がちで祖母の部屋で過ごすことの多かった私はいつも死の気配を身近に感じていた。

祖母が特に気を張るのが満月の夜と新月の夜。
満月の夜は潮が満ち、新しい命が誕生するといつも言っていた。
実際満月の夜に産気付く妊婦は多く他の日と比べて明らかな違いを感じた。
お産を掛け持ちし朝まで部屋に戻ってこない祖母の身体が幼心に心配になるほどであった。

逆に新月の日は隣の末期患者の様子を頻繁にのぞきに行っていた。
朝になって隣の部屋が殻になっていると思うと前日の夜は新月だったということが多かった。

科学では検証できない偶然なのかも知れないが私も祖母と一緒に体感した事実である。
動物や植物の生命のバランスが月や潮に関係あることは知られているが、人間の命も同じだということを長年の経験から祖母は知っていたのだ。

現在祖母は仕事を辞め衰弱し植物状態で入院している。
人間の命が宇宙や自然の影響を受けるということを教えてくれた祖母の命は最後までしっかりと見届けたい。





ページのトップへ戻る