知られていない世界文化遺産「古都奈良の文化財」の見どころ

世界文化遺産「古都奈良の文化財」の構成要素

世界文化遺産の古都奈良の文化財の構成要素は、奈良公園周辺にある春日大社・春日原始林・興福寺・東大寺・元興寺、そして再建が進む平城京跡、さらに西ノ京の薬師寺・唐招提寺である。
奈良は多くの事が訪れた事のある観光地であるが、構成要素の寺院でも元興寺を知る人はまだまだ少なく、また多くの人が一度は訪れた事のある興福寺や東大寺にも知られざる国宝の建造物があるのだ。


本記事では、この古都奈良の文化財の中で知られざる見どころを紹介し、奈良の奥深さを知ってもらい、改めて奈良にある多くの文化財を再発見してもらう一助になればと考えているものである。

興福寺の国宝三重の塔

近鉄奈良駅からも近く、奈良観光で興福寺は定番で、必ず観光客の訪れるスポットだ。
多くの観光客は国宝の五重塔と東金堂の辺りを巡り、次の目的地として東大寺に向かったりします。
少し寺院建築に興味のある方でも、それにプラスして北円堂や南円堂を鑑賞される程度と言える。
しかし国宝の三重塔がある音はほとんど知る人がなく、狭い境内にも拘わらず、ここを訪れる人は皆無と言ってもいいほどなのだ。


立地は南円堂の西側で境内の南西隅に当たり、細い道を入った少し奥まったところに建っているのだ。
小さな三重塔だが、こちらも立派な国宝なのである。


何とこの三重塔は興福寺の建造物の中で、北円堂と並んで最古なのだ。
普段は外観を見る事しかできませんが、毎年7月7日の弁財天供時にのみ開帳される。
小さいながらも素晴らしい三重塔であり、奈良を訪れた際には、ぜひ探してでも鑑賞してもらいたい文化財と言えるのだ。



東大寺の転害門

奈良観光ではお馴染みの寺院として大仏で有名な東大寺がある。こちらは南大門を潜り、大仏殿を見学して、足早に春日大社へと移動される人が多いと言える。
少し時間の余裕がある人は大仏殿の東側のエリアに進み、お水取りで有名な二月堂や、通称三月堂と言われる法華堂を見学されるのが一般的だ。
しかし、東大寺にも他に知られざる国宝の建造物が存在するのだ。
それが転害門である。


この転害門は、広い東大寺の西の端にあり、訪れる人は極めて少なく、ここも知られざるスポットと言えるのだ。
この門は、三間一戸八脚門の形式をもつ堂々とした門であり、平重衡の兵火(1180年)と三好・松永の戦い(1567年)の2回の戦火で東大寺の多くの建造物が焼失した中で、消失を免れた数少ない建造物で、修復はされているものの、天平時代の東大寺の伽藍建築を想像できる唯一の遺構と言えるのである。


東大寺ではこの転害門は一度は見るべき知られざるスポットと言っても良いであろう。

奈良の文化遺産でもっと知られていない寺院の元興寺

元興寺は、興福寺のあるエリアから商店街を南に抜けた通称なら町と呼ばれている古民家が建ち並ぶエリアの中心にある寺院だ。
元々は明日香にあった寺院が、平城京の造営に伴い、奈良に移されたもので、仏教の元の寺院と言う意味から、元興寺と名付けられたと言われている。
奈良時代には大きな境内を持つ大寺であったものの、いつしか堂塔が逸散し、現在は狭い境内に、極楽坊本堂と極楽坊禅室のみが残っているに過ぎない。
この両お堂はいずれも国宝に指定されている貴重な建造物である。


この両国宝建造物の屋根瓦は、黒い瓦に混じって茶色の瓦があるのだが、茶色の瓦は修復を繰り返す中でずっと使用されて来た瓦で、中には創建当時の瓦が残されていると見られているのだ。
奈良を訪れた際には、なら町散策と合わせて、ぜひこの知られざる元興寺を訪れてもらいたいものである。



    

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