じっと覗き込む女性の霊
この世に未練があり成仏できない女性の幽霊は、時を得てその姿を変え
地縛霊や
浮遊霊となり、永遠にこの世を彷徨う場合もある。
この場合、最初の原型を留めておらず、オーブやスピリットと言った霧状だったり球体の形をした霊になるという。
その時には、当初抱いていた未練や怨念の力は薄まってしまっている。
さらに、100年単位の年月を経て、地縛霊や浮遊霊は自然の力の影響で
精霊となる。
そういった類の幽霊は形がないため、目にはまったく見えないけど、匂いや感覚で存在を感じる事が出来るという。
成仏したくても出来ない霊というのは、その霊本人だけの問題で片付けられるものではなく、様々な因果律の影響でそうなってしまう。
未練というのは、現世から紡がれた因果律であり、いくら成仏したくても、自力では出来ない事だってあるようです。
姉妹2人で寝ていると
この話は、実際に起こった話だが、主に関東地方で聞かれる話です。
姉妹2人で寝ている方も多いと思います。
姉妹で一緒の部屋に寝ていると、着物姿の女性の霊が枕元に座って現れると言います。
そして、姉妹のどちらかの顔に、自分の顔を近づけていきます。
なにかをしたり、言ったりはしないようです。
ただ、じっとどちらかの顔を見つめるのです。
受験勉強で、遅くまで起きていた妹が、ふと姉の方を見ると、その枕元に女性が座っているではありませんか。
妹は初めて見る異界のものに驚愕し、あまりの恐ろしさにそのまま参考書の上に突っ伏してしまったと言います。
震えながら、どの位の時間が経ったのでしょうか、恐る恐る顔を上げると、もうその女性は消えていたそうです。
誰かを探しているのか
この女性の霊は、何をしたいのでしょうか。
何も言わないし、彼女の姿を見た方も、恐ろしさのあまり何も聞くことは出来ないので、わかりません。
ただ、姉妹のどちらかの顔をじっと見つめているのです。
彼女についての情報は少ないので、年齢もわからないのですが、誰かを探しているのでしょうか。
女性なら、自分の娘を亡くして、自分が亡くなった後に、あの世でも会えずこの世で娘を探しているのでしょうか。
特に、自分の子供を亡くした場合、母親は悲しみのあまり自ら命を絶つこともあります。
そのような場合、成仏することが遅くなるので、さまよいながらわが子を探しているのかもしれません。
子供が欲しかった女性なのか
また、子供が欲しくても出来ず、一生を終えた後も子供への執着が消えずに、この世で自分が持つことが出来なかった子供を見ているのでしょうか。
姉妹が一緒に寝ている部屋に現れるということは、女の子が欲しかったのでしょうか。
着物姿とはいえ、あまり古い霊ではないのかもしれません。
昔ほど、まず男の子を生むのが、嫁の役目だったからです。
霊障はないし、恐怖もない
不思議なことに幽霊にじっと見られても嫌な気分にならない。
霊障と言って、幽霊の悪影響で肩こりが酷くなったり、体の不調を訴えたりするなどの影響はない。
そういった意味で、 幽霊の存在を認識しても、それ自体に恐怖や苦痛がないという不思議な体験も実際にあるようである。
こういった幽霊との接し方というのも、実際に存在する事例である。
成仏を祈りましょう
顔を覗き込むだけで、特に何かを言ったりしたりすることはないので、恐れることはないようです。
しかし、彼女の出現は、この世に生きている姉妹を怖がらせますので、それは彼女にとっても良くない行為でしょう。
ちゃんとあの世に行けば、神様が次に生まれた時には、沢山の子供を恵んで下さることでしょう。
もし、彼女を見たら、「あなたはこの世の人間ではありませんよ。行くべき所へ行きなさい」と、言ってあげるのが良いでしょう。
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